疾患と鍼灸(はりきゅう) No.24

熱中症と鍼灸(はりきゅう)

熱中症とは

 人間の身体は自律神経によって体温を一定する機能が備わっています。気温が上がると汗をかいて身体を冷やしたりするのもその一つです。しかし、体温調節には多量のエネルギーが必要で、長く暑さが続き疲労が蓄積すると自律神経の働きが悪くなり体温調節が出来なくなります。そして、発熱や頭痛、めまい、吐き気などの症状が現れます。これが熱中症です。

鍼灸で予防対策

 最近、毎年のように全国的な記録的猛暑が続き、大変多くの方が熱中症となり、病院へ搬送される方も多くなっています。重症の場合、命の危険もある熱中症。実はこの恐ろしい熱中症にならないための予防として、鍼灸治療は大変効果的なんです。
 鍼灸治療は、疲労回復や自律神経の調整に効果があり、定期的に治療を受けていると、熱中症になりにくくなります。そして、熱中症になった後なかなか症状が治まらないような場合にも、自律神経を整えることで良い効果が期待できます。

まずは病院へ

 鍼灸治療が熱中症に効果的だと言っても、重症の方、例えば意識不明の状態で鍼灸院に運ばれても当然対応出来ません。鍼灸治療はあくまで予防もしくは症状の軽い方のみ有効ということです。熱中症と思われる症状があった場合は、まず速やかに病院へ行き医師の診察を受けることをお勧めします。
 今年の夏もまた猛暑になるかもしれません。今のうちから正しい熱中症対策の知識を身に付けておきましょう。

効果のあるツボ

熱中症の鍼灸治療で使用する「合谷(ごうこく)」というツボの図解合谷(ごうこく)

合谷(ごうこく)
場所:親指と人差し指の付け根の間。
効果:自律神経の調整。

熱中症の鍼灸治療で使用する「足三里(あしさんり)」というツボの図解足三里(あしさんり)

足三里(あしさんり)
場所:膝下のすねの骨の出っ張りの外側。
効果:胃腸の調子を整え体力を回復する。